ハーゲンダッツがTwitterやiPhoneアプリを活用し、「憧れ」から「共感」イメージへギアチェンジ? 年金
ハーゲンダッツがTwitterやiPhoneアプリを活用し、「憧れ」から「共感」イメージへギアチェンジ?
2010/06/07 15:00
■マーケティング優等生も苦戦中「ShallweHaagen-Dazs?」というセリフのテレビCMで「Haagen-Dazsmoment」(至福の瞬間)を訴求し、「大人の高級アイスクリーム」という「憧れ」的なイメージを広めたハーゲンダッツが、Twitterなどのソーシャルメディアを活用したプロモーションで、「共感」イメージへギアチェンジしているようだ。ハーゲンダッツは、1984年の日本上陸以来、「スーパープレミアムアイスクリーム」の高級イメージを訴求する広告戦略や商品戦略の一方で、スーパーやコンビニで手軽に買えるチャネル戦略を展開してきたことにより、「手の届く贅沢」や「自分へのご褒美」としてF1層を中心に絶大な支持を得てきた。ところが、売上高は、「ドルチェ」が大ヒットした2007年度の438億円をピークに、2年連続で7%減少している。景気低迷下の高級品市場の縮小、シェア飽和、競合の台頭などの要因が重なっていることによると思われるが、優れた店舗戦略、広告戦略、商品戦略などにより、世界の中でも卓越した成功を収めてきたハーゲンダッツジャパンにとっては、苦々しい状況だろう。こうした中、2009年7月、ハーゲンダッツショップの旗艦店として、銀座に地上4階地下2階建ての「ハーゲンダッツラメゾンギンザ」をオープンし、高級感を前面に打ち出した特別メニューや同店限定の持ち帰り商品も販売するなどして、ブランドの再強化を図る一方で、近時、Twitterやユーザー参加型イベントなどのプロモーションを展開し、「共感」を訴求し始めている。■BestCrispeace!!コンテスト今年4月27日に、同社は、クリスピーサンドのサイズやパッケージデザインを一新し、「リッチキャラメル」、「ベリーベリーストロベリー」、「クッキー&クリーム」の3フレーバーで、価格も305円から270円に下げて、新クリスピーサンドとして発売した。全面リニューアルであり、10代後半から20代前半をターゲットに、「ハーゲンダッツ体験」への入り口となる、“明るく、楽しく、元気”な商品としてポジショニングを強化するもののようだ。この新商品のキャンペーンとして、一緒にいると明るく、楽しく、元気になれるクリスピースな仲良しの女の子3人組を選ぶ「BestCrispeace!!コンテスト」を全国の主要都市で開催し、855グループが参加、本日よりWeb投票を受け付けている。このイベントは、仲良しの女の子3人1組で集まり参加すると、その場で新クリスピーサンドをプレゼント、会場で撮影したみんなの写真をキャンペーンサイトで公開し、Web投票でいちばんクリスピースな写真に選ばれた女の子3人組はパリ・シャンゼリゼのハーゲンダッツブティックにご招待というものだ。女子大生の人気読者モデルブロガーも活用しており、彼女たちがイベント参加してブログで紹介したり、試食会に招待して新クリスピーサンド開発担当者へのインタビューをレポートするなどしている。このキャンペーンは、イベント、Web投票、ブログなどで、女子大生をターゲットに、新クリスピーサンドのクチコミを広め、ハーゲンダッツの新たなファンを獲得することを狙っているのだろう。■めくるめくアイスクリームの冒険「ドルチェワンダーランド」新しいアイスクリームデザートを提案しているドルチェについては、フランス版のイチゴのショートケーキといわれている“フレジェ”をアイスクリームデザートに仕上げた新作「フレジェ」の発売に合わせ、3月25日より特設サイト『ドルチェワンダーランドキャンペーンサイト』をオープンした。同サイトでは、ハーゲンダッツの公式アカウントをフォローし、「あなたがワクワクしたWonder体験」をハッシュタグをつけ、「Wonderland」というキーワードを入れて、つぶやいて応募するプレゼントキャンペーンを展開した(5月31日終了済)。同サイトでは、Twitterの投稿がトランプの兵隊たちがつぶやく形で表示されるほか、「DolceSecretTeaParty〜ドルチェ秘密のお茶会〜」への参加応募も受け付けている。この「お茶会」は、新作「フレジェ」の楽しみ方を消費者に直接伝えることを目的に、銀座の「ハーゲンダッツラメゾンギンザ」で毎月開催しているもので、「フレジェ」にぴったりな紅茶の紹介や、同商品の開発秘話などが聞けるというものだ。また、ドルチェは、冷凍庫から出して、少しやわらかくなったころが食べごろなので、おいしく味わうために食べごろを知らせるiPhoneアプリ「DolceTIMER」も提供している。この「DolceTIMER」は、今の季節や気温/室温や冷凍庫の種類などを設定してからタイマーをスタート。タイマーと共にトランプの兵隊たちが登場し「ドルチェ」の食べごろを知らせるというもので、Twitterのアカウントをこのアプリの設定画面で登録すると、食べごろを待つあいだに直接このアプリからつぶやくこともできる。また、WEBSHOPをタップすると、ハーゲンダッツWEBSHOPにリンクし、ハーゲンダッツの商品をiPhoneおよびiPodtouchから購入することもできる。ハーゲンダッツの中では、最も高価格の商品であるドルチェだが、その「至福の体験」の共有をTwitterやiPnoneを活用して、広めようとするものだ。■COOKPADも活用した「TastyRecipe」主力のミニカップでは、「LOVE×LOVE」をテーマに家族や恋人、友人同士で気軽に楽しむことを訴求している。春の新商品として「クッキー&セサミクリーム」、「ハニーミルク」、「クッキー&グリーンティー」を発売するとともに、4月26日から、レシピサイト「クックパッド」にて、誰でも手軽に作れ、ハーゲンダッツアイスクリームをスペシャルデザートに変えるレシピを募集する「ハーゲンダッツを使ったかんたん楽しいスイーツレシピ大募集!」キャンペーンを実施し(5月17日(月)終了済)、スペシャルサイト「TastyRecipe」に掲載している。日本最大のレシピサイトを活用して、ユーザーから家族で気軽に楽しむハーゲンダッツの提案を集め、ファン層を定着化させ、その利用を増やそうというものだ。■復活なるか?ハーゲンダッツハーゲンダッツは、1984年に日本に上陸、情報発信力のある大都市のおしゃれな街に直営店を出店し、アイスクリームに都会的な大人のデザートという新しい価値観を誕生させ、その後、ラインアップの充実と販売チャネルの拡大、TVCMによる知名度向上、日本人の嗜好に合わせた商品開発、新カテゴリの創造と次々と的確な打ち手を繰り出し、プレミアムアイスクリーム市場を創出し、シェア8割という圧倒的な地位を確立した。同社は、2010年の事業計画において、「ブランドのさらなる強化」と「品質のさらなる向上」によって、前年比103%の売上391億円を計画している。高級、高品質というブランドイメージの再強化、商品ラインアップのポジショニングとターゲットの明確化、ソーシャルメディアやリアルなイベントを活用した顧客とのコミュニケーションなど、打つべき手は、着実に実行している。しかし一方で、“明るく、楽しく、元気”な「Crispeace!!」が目立っており、ハーゲンダッツ全体の高級なブランドイメージを毀損してしまう恐れもあるように感じられる。「憧れ」から「共感」へと大きく舵を切っているハーゲンダッツの動向は、1社の試みということに留まらず、先行優位で圧倒的な地歩を確立したブランドが、消費者の節約志向の高まりの中で、どのようにあるべきなのか問う非常に興味深いチャレンジだ。筆者Twitterはこちら。ご意見、コンタクトなどお気軽に。執筆:株式会社ワールド・カフェ代表取締役笠原造監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役斉藤徹
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